和歌山の硏究 第三巻

目次

はしがき 安藤精一/1

近世和歌山のキリシタン 安藤精一/1

はしがき/3

一 浅野幸長と和歌山のキリシタン/4

二 南紀徳川時代の和歌山のキリシタン/12

むすび/20

和歌山の義民 南出和子/23

一 義民とは何か/25

二 全国の義民/26

三 和歌山の義民/29

むすび/37

紀州加太浦漁民の関東出漁――享保十八年の出漁について―― 笠原正夫/43

一 漁村としての加太浦/46

二 関東漁場への出漁状況/50

三 御用金の申つけ/55

四 御用金の背景/62

まとめ/65

徳川時代の三尾村――アメリカ村の前史―― 藤田貞一郎/69

一 問題の所在/71

二 村の概況/74

三 魚荷場の上方への販売/78

まとめ/80

紀州廻船の繁栄と衰退 上村雅洋/85

はじめに/87

一 紀州廻船の登場/88

二 艘数動向と時期区分/90

三 紀州廻船隆盛の足跡/98

四 紀州廻船の転機/101

五 紀州廻船の衰退と原因/108

むすび/112

近世高野紙の生産と流通構造 安藤精一/117

はしがき/119

一 高野紙の生産統制/120

二 高野紙の流通統制/123

三 コウゾ購入資金調達/125

四 高野紙の生産と農村/128

むすび/130

紀州藩幕末期の経済思想 天野雅敏/133

まえがき/135

一 仁井田好古「富国存念書」分析/136

二 嶋田善次「愚意存念書」分析/141

むすび/151

明治期「経済の奇蹟」の源流――幕末・明治初期の和歌山における商工業の発展―― メッガー・コート 訳 竹内庵/157

一 研究動向/159

二 分析視角/162

三 和歌山の概観/163

四 徳川時代の経済発展/164

五 明治の経済発展/166

創成期の和歌山綿ネル業 安藤精一/173

はしがき/175

一 和歌山綿ネル業前史/175

二 和歌山綿ネル業の創始/179

三 創始直後の生産/188

むすび/190

和歌山県域における地方銀行――その生成と発展―― 高嶋雅明/193

はじめに/195

一 和歌山県下の産業発展とその特質/196

二 第四十三国立銀行の設立と銀行業務/201

三 和歌山県下の銀行設立状況/206

四 日清戦後恐慌と銀行合同/222

むすび/231

明治期在来産業の展開――日高郡木蠟業を中心に―― 上川芳実/237

はしがき/239

一 木蠟業再編の全国的展開/241

二 明治前期の和歌山県木蠟業/246

三 明治中期以降の和歌山県木蠟業/250

四 和歌山県木蠟業と地域構成/258

むすび/262

準則組合の成立過程――三業（蠟燭・傘・棕櫚）を中心に―― 竹内庵/265

はじめに/267

一 同業者組織化運動の展開/268

二 準則組合の成立/275

おわりに/291

明治前期の町内会――和歌山市福町―― 鳥越皓之/297

一 町内会の特徴と問題関心/299

二 江戸後期および明治初期の町組/303

三 明治前期の福町/306

四 福町の町内会運営/309

阿尾・古座の祭――和歌山県漁村の儀式的特権―― ウィンストン・デェヴィス 訳 天野雅敏/327

一 宮座と儀式的身分/329

二 和歌山の三つの文化/330

三 宮座と漁村/333

四 阿尾――クエ祭/335

五 古座――御船祭/346

六 儀式的身分――それは如何にして残ったか/353