事例2-1 iPhone、スクリーンリーダー「VoiceOver」、ブラウザ「Safari」編
(1)前提条件
- iPhoneはiOS18が利用可能な機種
- iOSに標準で搭載されているスクリーンリーダー「VoiceOver」
- ブラウザ「Safari」
- テキスト読み上げアプリ「Voice Dream」
(2)「VoiceOver」の事前の設定
① 「設定」→「アクセシビリティ」→「ショートカット」を開き、「VoiceOver」を設定します。
② 「設定」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」を開き、「オン」に設定します(※)。「VoiceOver」をオンにした時点から、以下のとおり、通常の操作と方法が異なってきます。
1本指でタッチ(画面に指を付ける)すると、項目を選択し読み上げます。
1本指で右スワイプまたは左スワイプする(指で画面についた埃を跳ね飛ばすようにする)と、前の項目または次の項目に移動し読み上げます。
1本指でダブルタップ(2回)すると、項目を実行します。
※VoiceOver読み上げの「オン」と「オフ」の切り替えは、以下の三つの方法があります。
- 「ホームボタン」を搭載したiPhoneの場合は、「ホームボタン」をトリプルクリック
- Face IDを搭載したiPhoneの場合は、サイドボタンをトリプルクリック
- ホームボタンを長押ししてSiriを起動し、「ボイスオーバー、オン」と言う。
③ 「設定」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」を開きます。
- 右スワイプして「読み上げ速度」に移動します。
- 「読み上げ速度」と読み上げた後、1本指で右スワイプすると現在の速度を読み上げます。
- 上スワイプまたは下スワイプで読み上げ速度の変更ができます。
④ 「設定」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「読み上げ」→「ローターの声を追加」を開きます。
右スワイプして「日本語(日本)をダブルタップし、日本語の読み上げを「Hattori」、「Kyoko」、「O-ren」、「Otoya」、「Siri」等から選択します。
⑤ 「設定」→「アクセシビリティ」→「VoiceOver」→「ローター」→「ローター項目」を開きます。
- VoiceOverがウェブページや文書内で読み上げる項目の種類を変更できます。
- 「Safari」等の操作を行う場合、文字、行、読み上げ速度、音量、句読点、見出し、リンク、フォームコントロール、表、ボタン、テキストフィールドなどの設定をオンにしておくことを推奨します。
(3)「みなサーチ」にログインしてみましょう
① ホームボタンを押します。
- ホームボタンを搭載したiPhoneの場合は、ホームボタンを押します。
- Face IDを搭載したiPhoneの場合は、画面の下端から1本の指を上にドラッグし、バイブレーションが感じられるか2つの上昇音が聞こえたら指を離します。
② 右または左にスワイプして「Safari」と読み上げられたら、ダブルタップして「Safari」を開きます。
③ みなサーチのURLを入力するために、画面の下部近くを4本指でタップして画面上の最後の項目を選択し、左にスワイプしてアドレスバーに行きます。
④ オンスクリーンキーボードから、「みなサーチ」のURL( https://mina.ndl.go.jp/ )を入力して、「みなサーチ」のホームページを開きます。
- 入力方法は、標準入力モード(左右にスワイプしてキーボードのキーを選択してから、ダブルタップして文字を入力)、タッチ入力モード(キーボードのキーにタッチして選択し、指を離して文字を入力)のどちらかの方法で入力します。
- 入力方法の変更は、「ローター項目」の「入力モード」を選択し、上・下スワイプで変更します。
- 開いた「みなサーチ」のページをブックマークに追加するには、右・左スワイプで「共有」を選び、右スワイプで「ブックマークを追加」を選び、右スワイプで「保存」を押します。
- ブックマークからみなサーチを開くには、画面の下部近くを4本指でタップして、画面上の最後の項目を選択し、左にスワイプして「ブックマークを表示」を選び、「みなサーチ」を選び実行します。
⑤ ログインと読み上げられるまで右スワイプします。ログインを過ぎてしまった場合は、左スワイプでリンクを戻ります。
⑥ ダブルタップでログイン画面を表示します。
⑦ 右スワイプで「利用者ID」と読み上げられたら、利用者IDを入力します。
⑧ 右スワイプで「パスワード」と読み上げられたら、パスワードを入力します。
- 右スワイプで「パスワードを表示する」を押すと、パスワードの内容を読み上げることができます。
- 利用者ID及びパスワードの入力内容を確認するには、右スワイプまたは左スワイプでそれぞれのエディットボックスに移動し、ローター項目を文字にして、上・下スワイプで1文字ずつ確認します。
⑨ 右スワイプで「ログインしたままにする」に移動し、ダブルタップでチェックを入れます。
⑩ 右スワイプでログインに移動し、ダブルタップでログインを実行します。
(4)早速「みなサーチ」トップページを読み上げさせてみましょう
- ページ先頭から全文を読み上げさせるには、2本指で上にスワイプします。
- 読み上げを一時停止する/続行するには、2本指でタップします。
- 選択した項目から画面全体を読み上げるには、2本指で下にスワイプします。
- 画面上の最初の項目を選択するには、画面の上部近くを4本指でタップします。
- 画面上の最後の項目を選択するには、画面の下部近くを4本指でタップします。
- 1ページ分上にスクロールするには、3本指で下にスワイプし、1ページ分下にスクロールするには、3本指で上にスワイプします。
- 1ページ分左にスクロールするには、3本指で右にスワイプし、1ページ分右にスクロールするには、3本指で左にスワイプします。
- 次の項目を読み上げるには右スワイプ、前の項目を読み上げるには左スワイプします。
以下の「ローター設定」は、ダイヤルを回すように画面上で二本指を回転させると、VoiceOverがウェブページや文書内で読み上げる項目の種類を変更できます。
- 上にスワイプすると、前の項目に移動したり、値を増加させたりします(ローター設定によって異なります)。
- 下にスワイプすると、次の項目に移動したり、値を減少させたりします(ローター設定によって異なります)。
- 上の行へ移動するには、ローター項目を行に変更し下スワイプ、下の行へ移動するには、ローター項目を行に変更し上スワイプします。
- 次の文字を確認するには、ローター項目を文字に変更し下スワイプ、前の文字を確認するには、ローター項目を文字に変更し上スワイプします。
- 次のリンクに移動するには、ローター項目をリンクに変更し下スワイプ、前のリンクを確認するには、ローター項目をリンクに変更し上スワイプします。リンクを実行するには、リンク名が読み上げられたところでダブルタップします。
- 次の見出しに移動するには、ローター項目を見出しに変更し下スワイプ、前の見出しに移動するには、ローター項目を見出しに変更し上スワイプします。
- 次のフォームコントロールに移動するには、ローター項目をフォームコントロールに変更し下スワイプ、前のフォームコントロールに移動するには、ローター項目をフォームコントロールに変更し上スワイプします。
- 次の表に移動するには、ローター項目を表に変更し下スワイプ、前の表に移動するには、ローター項目を表に変更し上スワイプします。
(5)全文テキストデータを検索してダウンロードしてみましょう
① みなサーチトップページで右スワイプを押して、「全文検索 本の内容をキーワードで検索」と読み上げられたら、ダブルタップして全文検索を開きます。
② 右スワイプして「キーワード 本のタイトルや著者」と読み上げられたら、検索する文字を入力します。ここでは日本の点字を考案した「石川倉次」と漢字で入力して検索します。
③ ローター項目を見出しに変更し、下スワイプを2回して、検索結果の件数を読み上げて確認します。
④ 表示形式が一覧形式の場合は、さらに下スワイプしていくと、検索結果のタイトルを1件ずつ読み上げます。
⑤ 気になるタイトルが読み上げられたら、右スワイプで著者や出版者、出版年などの詳細な情報が確認できるほか、キーワードにヒットした部分の前後を本文として読み上げることができます。本文の後に「ダウンロード」と読み上げられるタイトルは、全文テキストデータをダウンロードしてご利用いただけます。
⑥ 検索結果が多いので、詳細検索で絞り込みを行います。ローター項目をリンクに変更し、下スワイプまたは上スワイプで詳細検索と読み上げられたら、ダブルタップで詳細検索画面を開きます。
⑦ ローター項目をフォームコントロールに変更して、下スワイプまたは上スワイプで、各項目への入力のエディットボックスやラジオボタンなどに飛ぶことができます。
⑧ 「石川倉次」が点字を考案したのは1890年ですので、それからちょうど50年後の原本出版年である1940年から1940年で検索してみます。下スワイプまたは上スワイプで原本出版年に移動し、開始も終了も「1940」と入力し、検索を実行します。
⑨ ローター項目をリンクに変更して下スワイプし、検索結果を読み上げて、気になるタイトルがあれば、下スワイプでダウンロードボタンをダブルタップし、全文テキストデータをダウンロードします。
(6)Voice Dreamで全文テキストデータを読んでみましょう
Voice Dreamは、読みに困難がある方のために作成されたテキスト読み上げアプリで、プレーンテキスト、Word、PDF、HTML、EPUBデータ等から、文字情報だけを抜き出して読み上げます。
① (5)の全文テキストデータのダウンロードが終わった後、右スワイプで「表示」を実行すると、Safariで全文テキストデータを開くことができます。
② 右スワイプで「共有」をダブルタップします。アプリの一覧から右スワイプして、「Voice Dream」をダブルタップします。
③ 「開く」をダブルタップすると、「Voice Dream」でテキストデータが開きます。
④ 右スワイプして「テキスト」と読み上げられているところが、本文表示画面です。
- ローター項目を行に変更すると、下スワイプで行単位で読み上げることができます。
- 右スワイプ7回で、読み上げる位置を割合(パーセント表示)で指定することができます。上スワイプや下スワイプで、読み全体の何パーセントの位置を読み上げるかを変更できます。
- 検索をダブルタップして、検索文字列を入力した上で実行すると、その言葉が本文内から検索できます。